追熟でうまさ倍増

高知新聞観光の主催する「大人の遠足」という日帰りバスツアーが中高年に人気だそうです。遠足に行きたがる大人の気持ちはとてもよくわかります。新しいことを知る楽しみはおそらく小学生よりも大人の方がよくわかっていると思います。もう一度小学校で学べたらと思っている大人は多いのではないでしょうか。もちろんテストがなければですが。

新しい土地に移住することは、大人が小学校に入学するようなものです。毎日が新しい学びと発見の繰り返しです。

今高知で最も(危険な意味ではなく)小学生に近い47歳の私は、この収穫の秋を誰よりも楽しんでいます。

自分たち夫婦で育てた(ほぼ妻が育てた)サツマイモは、収穫したその日にお隣さんが教えてくれた「土佐の天ぷら粉」によって世界最高の芋天に生まれ変わりました。生涯に食べた数万本のサツマイモ史上一番おいしい芋でした。

農業をやっている人なら常識かもしれませんが、恐ろしいことにサツマイモは「追熟」でさらにおいしくなるそうです。これ以上おいしくなったサツマイモは想像を絶します。昨日自然農法をやっている友人が、2,3日天日で干したあと1~2,3ヶ月日陰で保存するとさらに甘みがアップすると教えてくれました。数か月後が楽しみです。

スーパーで簡単に手に入る野菜と、周囲の人の協力を得ながら自分の手と汗で収穫する野菜の価値がこれほど違うとは思っていませんでした。例えるならスーパーの野菜は死んだ野菜。自分で育てた野菜は生きている野菜という感じです。プラモデルと本物の飛行機くらいの違いがあります。

生きている本物の野菜を日々やり取りしている日高村の暮らしはとても豊かです。過疎や高齢化など直面する地方の深刻な問題にもかかわらず、私は成熟した先進社会に未開の国からやってきたような感覚を体験しています。明治時代、欧米に留学した日本人のようなカルチャーショックです。

そんな私の仕事が「地域おこし協力隊」というのには違和感を覚えます。おこされなければならないのはどこなのか。坂本龍馬風に、日高村から日本を起こすなどと大きく言ってみたくなります。

今シーズンの初物。日高村産フルーツトマト。