華麗なる軽トラの世界

友人の軽トラがとうとうちゃがまりました。つまり壊れました。結局廃車になったそうです。世界ポンコツ選手権があれば絶対優勝すると思えるほどの見事なポンコツでしたが、私も何度か乗せてもらって大好きな軽トラでした。イノシシと激突して凹んだボディが懐かしく思い出されます。

使い込むほどに風格が出て愛着のわくのが軽トラの魅力です。厳しい環境で使われた軽トラほど魅力的になります。農業をやっている90歳のおじいさんと長年連れ添った軽トラなどは百獣の王ライオンの風格すら感じられます。

村の生活には軽トラと草刈り機が必需品です。

火曜日の小村神社大祭では軽トラに乗ったお神輿が村を巡回しました。太鼓や花を積んだ軽トラを前後に従えたお神輿ご一行は軽トラの大名行列でした。

9日後に迫ったひだか茂平マラソン2016の会場設営が今日から始まりました。この村最大のイベントの準備には役場職員個人のも合わせて10台近い軽トラが動員されました。村の男はたいてい軽トラの運転と荷台に荷物を固定するロープワークの達人です。軽トラの運転もロープワークも今までやったことがなかったのでこういう準備の時には肩身の狭い思いをします。あたかもアメリカのカウボーイが働く牧場に放り込まれたアジア人のようです。しかしこうして村の生活に慣れてくると今まで軽トラの運転もロープワークもしないでどうやって生きてきたのか不思議な感じがします。

大草原を颯爽と走るカウボーイと馬のように軽トラがとてもかっこよく見えてきました。よく見てみると軽トラのオーナーはみな自分なりのアレンジをしています。コクピットを宇宙船のように様々なメーターで埋め尽くしている軽トラ、ギアの頭に巨大なダイヤモンドのような飾りをつけている軽トラなど、みなどこかにこだわりがあります。メーカにもそれぞれ好みがあるようです。しかしなぜか色は必ず白。メーカーのホームページを見ると色にはバリエーションもあるのですが、日高村の軽トラは白と決まっているようです。軽トラ謎のこだわりです。

華麗なる軽トラの世界。ロープワークを身につけて村での生活がさらに広がりそうです。

軽トラの代表格スズキ「キャリイ」