いつのまにナチュラリストに

日高村のような自然の豊かなところに引っ越してきておいて、私はそれほど自然が好きなほうではありませんでした。

自然を求めて移住したわけではなく、よりやりがいのある仕事を求めて日高村に来ました。人口減少と高齢化社会を生き抜く方法を見つけるのが移住の目的です。この目的に関わる仕事ができれば都会でも田舎でもよかったのですが、都会では過疎も高齢化も現実的ではないので地方移住を決めました。

日高村を選んだのも、ここが過疎と高齢化に悩む地域でありながら、高知市の市街地に近いからです。たとえ田舎へ移住しても都会暮らしの便利さをできるだけ失いたくなかったのが本音です。畑をやる気もなかったですし、山や森を歩く気もありませんでした。車で30分でイオンモールへ行けるのが日高村に決めた理由と言ってもよいくらいです。

ところが4月、実際に引っ越してみると、いわゆるナチュラリストの人が喜びそうな環境がばっちりそろっていました。まず家には立派な畑が付いていて自由に耕してよいと言われました。もちろん耕すつもりはまったくなかったのですが、放っておくと雑草が大変なことになるので嫌々草刈りをしました。するとなぜか夏には枝豆とトマトとナスを収穫し、今はサツマイモを収穫しています。サツマイモは手で触るとベトベトするくらい蜜でいっぱいです。畑もけっこう楽しいものです。

草刈りは日高村の暮らしでは必須なので、自分に刈られる不幸な植物たちをじっと見ているとつい名前を知りたくなってしまい、今では植物と親しむ生活を送っています。今、庭にはツワブキの花が咲いています。

また毎朝いろんな種類の鳥の鳴き声に起こされ、外に出ると見たこともない鳥がいるので、野鳥の観察も生活の一部になりました。

今日の野鳥。ジョウビタキの鳴き声。ジョウビタキ

ナチュラリストをネットで調べると「自然に関心をもって、積極的に自然に親しむ人。また、自然の動植物を観察・研究する人」(デジタル大辞泉より)だそうです。私もいつのまにかナチュラリストの入り口に立っているようです。

自然が身近にあると自然にナチュラリストになるのかもしれません。