13時間かけて来てくれました

50代から80代のお世辞にも若いとは言えない6人が埼玉県川越市からここ高知へ遊びに来てくれました。なぜか車を運転して。かかった時間は13時間。6人の疲労が心配です。ただ車社会の高知にとっては一番ありがたい観光客です。明日はまた運転して黒潮本陣で温泉です。ともかく無事に到着してくれてなによりでした。

今夜は明神丸本店で、埼玉では決して食べることができないおいしい料理を食べてもらいました。

6人のうち一人は川越で町おこしの仕事をしているそうです。川越市は埼玉県の一地方都市ですが、人口は高知市よりも2万人ほど多く、年間の観光客数は約600万人と高知県全体よりも200万人も多い自治体です。

「川越とはずいぶんと生ぬるい所で町おこしをやってらっしゃいますね。川越ではいったい何を『おこす』んですか?」そんな皮肉を言ってみました。

話を聞くと、川越も急速に地域社会が崩壊しているようです。人口が増えているのに地域が廃れるとはいったいどういうことなのか。実は、肝心のそこのところを聞かずに今日は終わってしまいました。皮肉をぶつけて満足してしまった自分に後悔です。

まあ、人口減少は日本全体の問題でもあるので、人口の増えている川越であってもなんらかの地域の歪みがあってもおかしくはないはずです。

日本は個性豊かなたくさんの小さな地域社会が集まってできている国だと思います。仁淀川流域の6つの市区町村はそれぞれ違う個性を持っていますし、日高村の中でも日下と加茂と能津では違いがあります。さらに同じ日下でも沖名と下分とではやはり違います。ましてや高知と川越では大きな違いがあるはずです。世界から見れば単一民族に見える日本も中から見ればかなり多様性に富んでいます。

なので日本全体で人口減少高齢化の共通した問題があるとしても、その対処法を霞が関の一か所で決めてうまくいくものでしょうか。やはりその土地にはその土地に合った対処法があるはずです。

13時間の距離は大きいと考えた方がよさそうです。

地域おこし成功の鍵は、遠い東京にではなく、足元にあります。

カツオを焼く炎。