埼玉県川越市今泉にある住宅街、かつて私の住んでいた一区画20軒で新聞を取っていたのはたったの1軒。新聞はすでに過去のものだというのが近所の常識でした。たまに洗剤と野球のチケットを持ってうちに来る新聞店の営業もすでにあきらめ顔だったのを思い出します。
高知では新聞が元気です。高知新聞は日高村のほぼ全世帯が取っています。想像ですがほぼすべての高知県民が高知新聞を取っています。高知中どこに行っても今朝の高知新聞の話題を出して「知らない」と言った人とはあったことがありません。みんな朝「高新」(高知の人は高知新聞を愛情を込めてこう呼びます)を読んでから出かけます。郷に入っては郷に従えで(あるいは長い物には巻かれろで)もちろん私も「高新」取っています。実際、高知新聞は読んでみれば皆が取る理由がわかります。とても面白いし地元のニュースがたくさん載っているので読んでて飽きません。
年に一度の高知新聞の人気企画「ふれあい高新」の栄誉ある舞台に今年は日高村が選ばれました。今週日高村に移動編集局を置いて、高知新聞が世界の読者に向けて日高村の“今”を発信します。流行りのバブルサッカーやポムポムプリンも来る高知新聞主催のイベントも行われます。
高知中の自治体が選ばれたい「ふれあい高新」に選んでいただいて、こんなことを言うのは大変心苦しいのですが、ことイベントに関していえば日高村主催のイベントに比べると高新主催のはだいぶ地味な印象です。
この1週間、日高村主催のイベントは、「メシふぇすてぃばる」「オムライス街道デザインコレクション」「村の駅2周年記念祭」。極めつけは「国宝金銅荘環頭大刀の公開」。名前を聞いただけでもエッジの効いたものばかりです。ポムポムプリンとは同郷ですが日高村に来るにはもっと強いキャラがほしいものです。
21世紀を生きるために攻めつづける日高村と優等生の高知新聞。日高村のもへいくんと高新のにゅーすけ、どちらもかわいいですが性格はだいぶ違うようです。
関東で新聞の凋落を見てきた私の目には、日高村よりも高知新聞の方が心配です。
オムライス街道デザインコレクション帽子部門入賞作品。