祠の木を伐る話

隣の地区に小さな森があり、その奥に小さな祠(ほこら)があります。

地区の住人さえもその存在を忘れていた祠の森の木が数本道に伸びてきたので、自治会の重鎮たちは安全のため伐(き)らなければならないと話し合いました。

しかし今生きている住人にこの祠の由来を知っている人がいません。地区の古いことを知っている人はみんな死んでしまっています。誰も知らない祠の木を伐って、何か悪いことが起こるのではないかと心配でなかなか伐ろうとする人が出てきません。

そこでシルバーさんに木の伐採を依頼しました。派遣されたチェーンソー名人のシルバーさん二人が木を伐り始めた瞬間、突然大枝が落ちてきてシルバーさんを直撃。一人が大けがを負いました。シルバーさんからこの木を伐るのはお断りだと連絡がきました。

そして祠の木を伐る人は誰もいなくなりました。しかし、道に伸びてきている木は危険です。

そこに助け舟がきました。

近くでトンネルを掘っている建設会社が木の伐採を申し出てくれたのです。あっという間に建設会社の人が木を伐ってくれました。

それが今日のことです。

危険を取り除けてほっとした半面、何か起こらないかと心配な日がしばらく続きそうです。