冒険のある日常

国道33号線から眺める日高村は、どこにでもある普通の田舎町に見えるかもしれません。

しかし国道から奥に5分も入れば別世界。冒険が待っています。

先日、私が歩いた山道を職場の同僚二人が軽バンで走った話をしてくれました。

その道は、曲がりくねった崖っぷちの山道で谷底まで100メートルくらい、落ちたら命はない深い崖の上の道です。軽バン1台走れる幅があるかないか。もちろん未舗装。同僚二人は山の上から下の里まで近道をしようと思ってその道を選んでしまったそうです。

それでも昔は通る人や車もあって道も丈夫で軽トラ1台分の幅はあったそうです。しかし今は通る人も車もなく、道はところどころ崩れ、いたるところイノシシが掘り崩した穴が空き、ギリギリ軽バン一台分の幅もない場所もあるような状態になっていました。もちろん雑草もよく育っています。そんな道を二人を乗せた古い軽バンは降りて行きました。

私も、ふもとの里で出会ったお婆さんに、これから歩いて上まで登ると言うと「やめとき!別の道で誰かに車で送ってもらい!あの道はもう誰も登らんが!」と登山を止められました。お婆さんは、制止を振り切って登って行った私が戻るまで、家に入らずに外で待っていてくれました。ご心配をおかけしました。ただ歩くにはとても気持ちのよい道でした。

車で下るのは、死を覚悟する恐怖の道だったそうです。

崖から落ちて死ぬよりは車を傷つけた方がましと判断した二人は、崖の岩肌に車をこすらせながら恐る恐る道を進みました。石灰岩の多い四国の山は尖った石がタイヤに刺さり、イノシシの掘った穴が車を大きく揺さぶります。谷側のタイヤは半分道の外に出ています。

冷汗をかきながらようやく舗装された道まであと少しまで来たとき、「パン!パン!」。

二つの爆発音がしました。

2本タイヤがパンクしました。

すべて国道から10分以内の場所での出来事です。

日高村には実は冒険があふれています。初心者の方には猿田洞での冒険をおススメします。江戸時代に発見され伝説の忍者日下茂平が修行した洞窟です。観光化されていない自然の洞窟で完全な暗闇とコウモリが待っています。

自然の危険が身近にある環境に住んでいると生命力が高まるのを感じます。日高村のお年寄りがとても元気なのは本物の自然が身近にあるからだと思います。

東京から高知に移り住んでまだ1か月の若い女性が猿田洞に入ったとき「殺される!もう二度と日高村には来ない!」と叫んでいました。東京では死んでも体験できない冒険をして、この女性の生命力は極限まで高まっていると見えました。嫌い嫌いも好きのうちと言います。

ちなみにこの猿田洞も国道33号線から5分くらいの距離にあります。

猿田洞の入り口。

写真のオムライスは、えみ食堂の「チャンジャオムライス」。ビールが100倍旨くなる魔法のオムライスです。

チャンジャとオムライスの組み合わせは冒険のようにみえて食べてみると相性ピッタリです。