仁淀川のごちそう

日本一の清流仁淀川に来れば誰でも日本一おいしい川の幸を食べたくなるのが人情です。

しかしおいしい川の幸はそう簡単には食べられません。仁淀川でも天然の鮎やウナギはとても貴重でめったに口にできません。

ある観光会社が仁淀川上流にある越知町の住民に「越知町で一番おいしい店はどこか」アンケートをとったそうです。自由軒本店が一番になりました。ラーメンとおでんのおいしい行列のできる店です。川の幸はメニューにありません。さらに上流の仁淀川町でも同じアンケートしたらドライブイン引地橋が選ばれました。うれしいことにこの店には川魚が置いてあります。しかしこの店で一番おいしいと評判なのはおでんです。実際、死ぬ前に一度は食べたいおでんナンバーワンです(これは個人の感想です)。

(写真)ドライブイン引地橋のおでん。

ちなみに日高村で同様のアンケートをとっても川魚の店が選ばれることはありません。川の幸を食べさせる店がないからです。おそらくオムライスのおいしい店が選ばれるのではないでしょうか。あるいはラーメンのおいしい店かもしれません。または馬刺しのおいしい店かもしれません。

(写真)日高村クッチーナかねしんの馬刺し。

天然のものは安定供給ができません。なので川の魚は商売向きではありません。獲れたり獲れなかったり、質が良かったり悪かったり、大きかったり小さかったりするのが自然です。これでは店が開けません。

せっかく東京から来てくれた人に、鮎ではなくおでんやラーメンをごちそうするのは少し心苦しいのですが、これが仁淀川のごちそうです。日本一甘いトマトを思い出に持ち帰ってください。

もちろん仁淀川のそばに住むのは他にはない良さがあります。夏、川エビ漁に誘ってもらい自分で獲った川エビ(半分以上は達人からもらったものですが)をから揚げにして食べたのは忘れられない楽しい体験です(写真一番上)。11月も終わろうとする今でも思い出します。

ところで、今までに食べた鮎で一番おいしかったのは、ごめんなさい仁淀川、中村で食べた四万十川の鮎です。魚臭さゼロ。新鮮な野菜を食べているかのようなさわやかなおいしさにショックを受けました。

おそらく仁淀川の天然鮎もこれと同じくらいおいしいはずです。私も運がよければいつか食べられるでしょう。