村おこしの秘策、見つかる。

2本ある庭の金木犀の1本が一気に開花しました。

もう1本はまったく咲く気配がありません。

植物の不思議です。

村の将来を憂う若者が、村おこしのアイデアを語ってくれました。

日高村は、日本一の清流「仁淀川」の流れるきれいな水に恵まれた村です。

「ワサビがえいと思うがです」

あまり大きな声では言うなと言われましたが、日高村には天然のワサビが育つ沢もあります。

私もすぐにその話に飛びつきました。

ワサビで村おこしだ。日高村をワサビの一大産地にしよう。

さっそく村の中でも水のきれいな地区の老人を訪ねました。

以下の老人の言葉は土佐弁がキツいので、ほぼ標準語に翻訳してあります。

「ここでワサビはダメだな。質の良いワサビにはもっと寒暖差が大きくないとだめだ」

がっかりする私を慰めるように老人は言葉を続けました。

「だが、わしだけが知っとる沢に降りれば、えいワサビが採れるぞ。ちゃんとツーんとくるがよ。しかもデカいき」

「デカい?」

「わしの背丈ほどのが、ゴロゴロ生えちょる」

170センチもある天然ワサビが採れる沢…。

かつて坂本龍馬は、日本を洗濯したいなどと大きなことを言いました。

土佐人は、物事を大きく言う癖があります。そんなところも、いつも話を盛りがちな私にぴったりです。

土佐人の豪快さがあれば、たとえワサビがダメでも、日高村の未来は明るいとなぜか確信しています。