馬鹿にならずに梅を切る

実家の庭の梅の木にたくさんの実がなっているのを発見しました。

おかげで東京に移り住んだ今年も梅干しを漬けることができます。

梅干し作りは過去に何度もチャレンジしてきましたが、おいしいと思える梅干しが完成したことは一度もありません。

手間暇をかけ、額に汗して作った自分でさえも、おいしくないと感じるほどですから、本当にまずい梅干しなのだと思います。

それでも梅干しが好きなので作っていました。

梅の木は高知で借りていた家の庭にもあって、毎年、いえ、ある年を除いて毎年、梅干しや梅シロップ、梅酒を作ったものです。

 

一度だけ梅の実がならなかったその年、

「桜切るバカ、梅切らぬバカ」という格言をどこかで聞いてきた大家さんは、「梅の木は切らんといかんがですよ」と言って、実がなる前にほとんどすべての枝を切ってしまいました。

大家さんも私と同じくあまり植物には詳しい方ではありません。

ただ素人の私からみてもその時は切り過ぎでした。

あまりにもたくさんの枝を切ってしまったので、もはや何の木かもわからず、

梅好きで知られる小鳥のメジロだって、気づかずに通り過ぎたくらいです。

2,3日後、近所のおじさんが家の前を通り掛かり、

「おーい、東京から来た人、その梅は切り過ぎよ」と教えてくれました。

ここは住人として大家さんの弁護をせねばと、

「『桜切るバカ梅切らぬバカ』ってことわざがありますよ」と反論すると、

おじさんは笑いながら、

「『切り過ぎるバカ』ってのもあるがよ」というので、

大家さんには悪いと思いながら、私も一緒に笑ってしまいました。

 

ところで、

格言は梅は切るべしといいますが、いったいどれくらい切ればよいのか。

どこまでがバカで、どこまでが利口な切り方なのか。

私にはさっぱりわかりません。

結局バカと呼ばれるのが怖くて、高知の梅の木も、実家の梅の木もほったらかし。

枝はいつもぼさぼさ状態です。

大家さんもあの年以来、すっかり枝を切らなくなってしまいました。




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