鍼灸師は年を取らない

何年か前に大正生まれのお婆さん鍼灸師と渋谷で会ったことがあります。

お婆さんは当時すでに90才を超えていたのに、たくさんの人が行き交う渋谷の街に飲み込まれることもなく、すいすいとまるでサーフィンでもするように軽やかに歩いていきました。

お顔を見ても艶々です。

「鍼灸師は年を取らないのよ」とお婆さんは驚く私に笑いながら教えてくれました。

「鍼を打っていると『気』がよく巡って、患者さんだけじゃなく私まで元気になるのよ。」

「なるほど」といたく納得しました。

私も一応鍼灸師で、以前は若く見えるってことに関しけっこう自信があったからです。

当時、埼玉の総合病院で鍼灸師をしていた私は同僚の看護師たちからしょっちゅう20代に見えると言われ、つい気持ちよくなってジュースをおごったこともあります。(あの頃は40代前半でした)。

ただ先日50才になったのを機に映画も50才割引チケットを買ったところ、

こっちは若く見えると思い込んでいるので、本当に50だと証明しなければいけないと免許証を握りしめていたのに、受付の青年はチケットをもぎっただけで免許証を確認することなくそのまま通してくれました。

意外と年相応。私はすでに50かそれ以上の老け顔のようです。(20代だと言われたのはなんだったのか)。

 

年を取らない人は私自身よりも、むしろ私の周囲にたくさんいます。

先週川越で再会した患者会の皆さんは以前と同じく本当に若々しくお元気でした。「患者会」という名に違和感を覚えるくらい活気のある人ばかりです。

また、30年ぶりに電話で話した友人の声も昔とまったく同じで驚きました。軽やかで、透きとおっていて、20代の頃の若さそのままです。(少し疲れているようでしたが、それはあの頃もそうでした)。

みんなの若さの秘訣は?

いろいろと考えられます。

ただ一つ言えるのはどうも鍼灸とは関係がなさそうです。みんな鍼灸師ではありません。

鍼灸師は年を取らないというのは、あのお婆さんだけに当てはまる法則かもしれません。




コメントを残す