実家の隣にある耕作放棄地は今や全面を葛のツタによって覆われています(写真)。
私が戻ってきた時は実家の庭もこんな感じでした。
優秀な息子(私のこと)が戻ってきたおかげでわが家の庭は今のところ葛から解放されています。
さらに数年さかのぼり、隣のお爺さんがまだお元気で耕作放棄地も放棄地ではなく立派な耕作地だった頃、もちろん隣には葛のかけらもありませんでした。
隣のお爺さんはよくうちに来て父に文句を言いに来たそうです。
「お宅の土地の葛を何とかしてくれ。うちの畑に入ってきて困る。」
父は葛はおろか植物と名の付くものは何一つ触ることのない人なので、
「はいはいわかりました。」
とニコニコ返事だけして結局何もしませんでした。(できなかったのだと思います)。
そのようなわけで葛のおかげで隣とうちはお世辞にも仲がよいとは言えなかったと聞いています。確かに実家に帰ってきて以来私も隣のお爺さんと話したことはありません。
今は逆に隣が葛の森となり、私が葛の侵略を防ぐ立場となりました。
だけど私は隣へ行って「お宅の葛を何とかしてくれ」などと文句は言いません。
まあそこはお互い様です。
私がもっと親切なら隣の土地の葛も刈ってあげるのですが、このくらい増えてしまうと私一人ではもうとても太刀打ちできません。
だいたい刈ってもすぐに生えてきます。
もし隣のお爺さんと話すことがあれば「葛が枯れる冬まで待ちましょう」と言うつもりです。
心配しなくてもあと20年もすれば、
みんな歳を取って隣とうちだけではなく多摩市の土地の大部分が葛の森になります。