車上荒らしの丘より秋を眺むる

交通費をケチってやたら歩いています。

高知で交通費といえばガソリン代だけなのに、

ここ多摩市ではその他にバス代だの電車代だの駐車場代だのといろいろ取られるので、

くやしいから歩いています。多摩で育った子供の頃より今のほうがはるかにたくさん歩いています。

今日は少し足を延ばして多摩丘陵の上まで登ってみました。

写真は「車上荒らしの丘」からの眺めです。

もちろんこの物騒な名前は公式なものではありません。

大学時代、この丘の下にあったファミレスで食事中、車上荒らしの被害に遭いました。今から20年ほど前の話です。

捜査に来た警察官は

「犯人は丘の上に隠れて様子をうかがい、カモになりそうな車が来ると降りてきて犯行に及び、すぐにまた丘の上へ戻って隠れるのです。」

と胸を張って教えてくれました。丘の上を見ると木々が生い茂り深い薮に覆われています。

「なるほど」。自信に満ちた警察官の説明に私は納得し、事件はすぐに解決するように思えたものです。しかし結局犯人は見つからずじまい。まさに薮の中。

私は勝手にそこを車上荒らしの丘と名付けました。

今日久しぶりに歩いて行ってみると、すでにファミレスは閉店、丘も雑草だらけと思いきや、

犯罪者が身を隠せる薮は見る影もなく、今は公園と歩道が整備され「よこやまの道」という全長10㎞にも及ぶ遊歩道の立派な起点となっていました。

時代は変わります。

かつて犯罪者の巣窟だった丘の上から秋色に染まりつつある多摩ニュータウンを眺めると、その昔車上荒らしに何を盗られたのかすら思い出せませんでした。




コメントを残す