虫の意思

庭に変な虫がいました(写真)。

ヤマヒルというやつかもしれませんが、違う気もします。

3センチほどの小枝のような虫で尺取り虫のように歩きます。

それもただ歩くのではなく、何か恐ろしいものから逃げているかのように必死に歩きます。

見ているこっちが気の毒になるくらいの慌てふためきようです。

よっぽど恐ろしい敵に追いかけられているに違いないと、

辺りを探してもこの虫の敵になりそうなものは私以外に見当たりません。

しかもこいつは私の方向へ向かってきているので、私を怖れているのではなさそうです。

いったい何を考えているのだろうか。さっぱり意思が読み取れません。

試しに指でつついてみると動くのをやめ固まりました。

さらに突いても動きません。固まったまま。

つまんでも動きません。固まったまま。

こうなるともうすっかり木の枝と同じです。

どうやら虫は枝のふりをして私から逃げることに決めました。

その時少しだけ虫の気持ちがわかった気がします。

虫は木のふりをし、私という災難が去るのを必死の思いで待っている。

しばらくすると虫はまた動き始め、再び慌てふためきながら歩き出しました。

まったくわけの分からない虫です。

私はまだここにいるのに。

また何を考えているのかさっぱりわからなくなりました。




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