臆病な蜘蛛

夜、和室の電気をつけると畳の上に大きな黒い蜘蛛が。

大人の握りこぶしくらいもあるでかいやつです。

しかし腰を抜かすほど驚いたのは私ではなく蜘蛛の方。

私に見つかったのがよほど恐ろしかったのか、

やつは大慌てで転がるように走り逃げ、タンスにぶつかってひっくり返ると、必死になって起き上がり、タンスの後ろへ消えました。

こんなにぎやかな蜘蛛とは今まで会ったことがありません。

蜘蛛というのは音もなく行動するものだと思っていたのに、

ヤツは畳の上をカサカサと大きな音を立てて突っ走り、タンスにぶつかった時には本当に「ゴツン」と音がしたほどです。

あれほど不気味な姿をしているのだから、もっと堂々としていれば私の方が驚くはずなのに、先にやつが驚いてくれたせいで私は驚くどころか呆気にとられ、半口開けて慌てふためく蜘蛛をただ眺めているだけでした。

わが家にはあきれるほど臆病な巨大蜘蛛が住んでいます。




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