鍼灸師という職業柄、好きに治療して良いとなるとできるだけ派手で手の込んだ治し方をしようとしてしまう悪い癖があります。
先月、合気道の練習中に自分の左膝を痛めたので、これは良い機会だといろいろやってきました。
できるだけ膝から遠い場所に鍼を打ってみたり、手の小指を操作して痛みを取ろうとしたり、胸鎖乳突筋を琴のように弾いてみたり、オーソッドクスに気を送ってみたりと、できるだけ奇跡的で超自然的な方法がどうしても好きです。
しかし結局、大腿四頭筋の筋力強化が一番効果がありました。
もう痛くはありません。
大腿四頭筋つまり太ももの前側の筋力強化は、膝を痛めて整形外科へ行くと必ず言われることなので、すっかり馬鹿にしていました。
だいたいこれを言われて膝の痛みが良くなった人をこれまで一人として見たことがありません。
そもそも整形外科へ行って慢性の痛みが良くなった人っていますか?
整形外科医自身が私の鍼灸を受けに来るくらいです。
あの人たちは患者さんがどれほど必死になって痛みを訴えても、答えはいつもたったの二つ。
すなわち老化と加齢だけ。つまり薬を飲んで諦めろです。
そんな医者の勧める治療法だからすっかり馬鹿にしていましたが、いざ自分でやってみると、ちまちまと膝の周りに鍼を打つよりはるかに効果がありました。
大腿四頭筋の強化方法はネットにも様々紹介されています。少しハードめのキツイ運動の方が効果があるようです。
私は膝を床につけ、腰を伸ばしたまま後ろにゆっくりと上体を倒して太ももの前側と腹筋に負荷をかける運動をしました。20秒が限界なので21秒。
すると翌日には膝の不安定感がなくなり、痛みもキレイに消失。
医者もたまには科学的なことを言います。少しだけ見直しました。