糸トンボと2匹のタヌキ

勤務中、糸トンボと2匹のタヌキを目撃しました。勤務中だったので写真はありません。

糸トンボは、虫をとにかく憎んでいる同僚のおっさんといる時に現れました。あれはまだ日の高い午後のことです。

台風が近づいているというのに台風のカケラも感じられないいつもの暑い午後でした。

理由はわかりませんが、同僚のおっさんは虫が大の苦手で、どんな虫でも近づいてくると恐怖に落ち入り、興奮し、いつも手元に備えている殺虫剤で滅多やたらと殺しまくります。

この時もハチ用のジェット殺虫剤でいたいげなかわいい糸トンボを殺そうとするので、私が必死に思い止まらせました。

こう見えて私もいちおうトンボ祭りを開催する高知県日高村の出身なので、副村長ほどではないにしろ、トンボについて多少のことは知っています。

トンボには日本だけでも100種類以上いて、その中にはものすごく貴重な珍しいトンボもいるので、

同僚の虫殺しが、自分の命よりも価値あるトンボを殺さずに済んだかもしれないことを、ぜひとも私に感謝してほしいものです。

と、心には思いましたが言葉にはしませんでした。

この点は私も大人になりました。

さて夕方、今度は別の同僚のおっさんといる時に2匹のタヌキを目撃しました。

2匹ともまだ体が小さく毛艶もツヤツヤしていたので、子どもとは言えませんがまだ若いタヌキです。

おそらく兄弟か夫婦。わたくしは兄と妹と見ました。

ところがこの時一緒にいたオヤジは、普段モゴモゴ言っていて何言ってるかわからないくせに、ちょっとしたことでもすぐに驚いて恐ろしくデカい声を出す男で、この時も、

「タヌキだー!」

と突然怒鳴り声をあげて駆け出したので、

これまたいたいげな2匹のタヌキはパニックに陥り、離ればなれに逃げてしまいました。

「急にデカい声を出すからタヌキが逃げちゃったじゃないですか。だいたい隣にいるオレの方がタヌキよりも先に心臓が一瞬止まりましたよ」

と、おっさんをたしなめて、われわれは姿を隠しタヌキを安心させると、やがて2匹は植え込みから姿を現し、互いの身の安全を確かめ合うと、いつものコースと思われる方向へ仲良く歩き去りました。

お盆に入り街から人影が消えるにつれ、多摩の自然も生き生きと息を吹き返しているようです。

自然との共生という意味では、今の多摩の人口は多過ぎるのかもしれません。

何年かしたら私も高知へ戻り、多摩の人口減に寄与します。

そうすればタヌキも糸トンボも、少しは生きやすくなってくれるはずです。

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