的中率90%以上が自慢の天気予報アプリをスマホに入れています。
ところがこれが当たりません。
今日だって朝の予報が雨は午前中で止むといっていたからすっかり安心していたのに、実際には止むどころか午後になってさらに激しく降りました。
それも前を見えないくらいの土砂降り。
どうなっているんだ!とアプリを見てみたら、いつの間にか天気予報が変わっています。
午後になると予報はちゃっかりまるまる一日雨。しれっと何事もなかったかのように朝とはまったくちがう予報になっていました。
なるほど。直前に予報を変えるから的中率が9割を超えているのだと、仕組みが分かりました。
直前なら私にだって簡単に天気を予報できます。
「もうすぐ雨が降りそうな雲」は誰が見たって「もうすぐ雨が降りそうな雲」です。
この点、
占い師が人の死を予測する場合も同じで、「あなた死相が出ています」なんて偉そうにいっている占い師がいますが、そんなのは直前の天気予報と同じで、誰にでも当てられます。
がんの病院に長く勤務した私にいわせると、数カ月とか数週間など短期間以内に亡くなりそうな人は、優秀な占い師に聞くまでもなく、誰が見たって亡くなりそうな様子をしているからです。
そもそも人間はみんないつかは必ず亡くなるので、「死にます」なんて占いはサルにもできるアホな未来予想といえます。
ところが、ときどき不思議な人がいました。
病院勤務時代、どこからどう見ても、もうすぐ亡くなりそうな人なのに亡くならずに元気になる人がときどき現れました。年に一人くらい。
その中年の女性は、入院してきたときお腹は腹水でパンパンに膨れ上がり、両脚は浮腫んで象の脚になっていました。しかしそれ以外の全身はガリガリに痩せこけています。
誰が見たってもうすぐ亡くなる状態。
サルが見たってよい状態とはいえません。当時、たしか医者は数カ月の余命を宣告していたと思います。
わたしは腹水と浮腫それに苦痛を取り除く鍼と整体を頼まれて施術しました。
ところがどうも様子がおかしいのです。
状態はぜんぜんよくないのに、身体に現われる施術の反応が良すぎます。どう考えてももうすぐ死ぬ人の反応ではありません。
「おかしいな。とても死ぬ人には思えない。だけど腹水はちゃんとある。変だな。どうしても元気な人に思える。だけど脚が象みたいなのはなんでなんだろう。この人に浮腫みがあるのはおかしい。」
などとブツブツ独り言をいいながら何日間か施術をしたのを覚えています。
その後、女性は腹水を抜くことで有名な病院へ転院し、私は病院を辞め高知へ引っ越し、
女性がどうなったかはわからなくなりましたが、おそらく亡くなられただろうと思っていました。
ところが昨年の暮れ、川越へ行ったとき偶然その女性と再会しました。
最後に会ってから5年以上経っています。お名前を聞いても、お顔を拝見しても誰だかわかりません。お話を聞いてようやく思い出しました。
その女性も、施術中のわたしのやかましい独り言をよく覚えておいでだったからです。
「やかましい鍼灸師だな」と施術中すごく可笑しかったと笑っていました。
いまでは腹水も両脚の浮腫もすっかり消えてなくなり、ごく普通の元気なおばさんです。
どんな占い師がみても明るい未来を予測すると思います。
今日は長い日記になりました。
アプリ予報によると、明日からもしばらくは不安定な天気が続きます。