猫の好物は魚だと思い込んでいました。
ところが違うそうです。
日本の猫は、魚をよく食べる日本人と暮らしているから魚を食べているだけで、べつに好きで魚を食べているわけではないとテレビが教えてくれました。
他のものを食べる国へ行けば、そこの猫は他のものを好んで食べていると。
実は私もまったく同じです。
私も義母から大の魚好きだと思われています。
「しんちゃんはほんっとに魚が大好きだね」。いつも言われます。
ところが私、べつに魚好きではありません。嫌いというほどではありませんが、東京ではそれほど魚は食べません。
嫁の実家はよく魚を食べます。行くといつも魚を食べています。
それに付き合っていたらいつのまにか私も大の魚好きにされていました。
猫と同じ。
ただ猫の場合、人間の言葉がしゃべれないので誤解されることだってあるでしょう。
一方、人間の言葉をしゃべり、そのうえ大の大人の私が猫と同じというのは、なんとなく恥ずかしい。
かくなる上は人間らしく、思い切って「実は僕、それほど魚好きではないんです」と義母に伝えるべきか。
けれど20年近くも自分の好きな食べ物を言えなかった50歳って、ひどくかっこ悪い気がします。
いや、こうなったらもう開き直り、これからの人生を大の魚好きとして暮らしていくほかありません。
それが一番平和な選択です。
猫を真似て、魚に関しては今後もノーコメントでおいしく食べることにします。