死んだらどうなる

昔の患者さんから共通の友人が亡くなったと連絡がきました。

鍼灸は患者さんとじっくり向かい合うので、長い期間付き合うと友達のようになります。

亡くなった方は生きる大変さを身をもって教えてくれた人でした。

心よりご冥福をお祈りいたします。

私の勤務先の病院はがんの人が多く、中には重い状態の人もいて亡くなる人も少なく、勤務した10年以上の間にはたくさんの「友達」と別れました。

人は亡くなった後もしばらくの間近くにいるという話は、病院ではよく聞かれます。

身体は死んでも魂とか霊とかは死なない。理屈では否定しても、その存在を感じている病院スタッフはけっこういました。

話は変わりますが、患者さんによく「良い病院を教えてくれ」と聞かれます。

良い病院というのはたぶんありません。ただ良い人、つまり良い医者と良い看護師はいます。なので中にどんな人がいるか、病院を外から見ただけではわかりません。入院して付き合って初めて分かるので、良い医者良い看護師に出会うには運が必要。しかも非常に少ないので、かなりの強運が必要です。

経験上、患者さんとじっくり付き合うよい医者や看護師ほど死後の存在を、強く感じていたように思います。

長く勤務すると疲弊すると言われているホスピスや緩和ケアでも、そんな医者や看護師はいつも元気で活き活きしていました。死が絶望ではないと体験で知っているからです。

ある日、ある患者さんが、ある看護師と大喧嘩をした後に亡くなったことがありました。

その看護師は普段から医学は科学だから霊とか魂なんて存在しないと公言していて、患者をモノ扱いするので、患者さんからは嫌われ者。「あなたは余命3か月なんだから、生きようなんて希望は持たずに死ぬ準備をしなさい」と平気で言える人でした。「恨まれるのが仕事だ」などと訳の分かんないことを言っていたのも思い出します。

私はその患者さんを担当していて、亡くなる直前まで病室に入っていたのでだいぶ親しくお付き合いしていました。

「ねえ。〇〇さん亡くなる前にあたしのこと何か言ってなかった?」

数日後、その看護師が私に近づいてきてこっそり聞いてきました。

「もちろん、あなたのことをだいぶ恨んでいましたよ」

相手は自称科学者、遠慮なく事実を伝えると、意外とショックを受けている様子。悪いとは思いながら、亡くなった患者さんの怒りを晴らすつもりもあって、

「〇〇さんはまだこの辺にいますよ」と嘘を耳打ちしました。青ざめる彼女。

次に会った時、その看護師は埼玉中にあるあらゆる神社仏閣のお守りやお札を身につけて、こっちを見て意味深にうなずいてきます。「お祓いも受けて来たからこれで大丈夫」

病院ではそんな看護師でも実は霊の存在を信じています。

 

死んだらどうなるのか。

それをよく病院の仲間と話し合ったものです。

たぶんすごくよい場所なんだとみんな共通して感じています。これも理屈ではなくただ感じるだけですが。亡くなった人はみんなとても良い顔をしているからです。

合掌。




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