歌う柴犬

家から職場まで歩いて行くと途中に外飼いの柴犬がいます。

まだ若いおとなしい犬で吠えているところを見たことがありません。

いつもお腹を上にして寝ているか、後ろ足を後ろに投げ出して横になっています。

その上シャイな性格で、

私が前を通るたびに挨拶をすると、いつも目を伏せたりあくびをしたり、照れ臭そうにします。

私が多摩に帰ってきてから3年間、朝晩この犬を見続けて今日初めて興奮しているところを見ました。

それは夕方の5時、多摩市中に街角のスピーカーから夕焼け小焼けの音楽が大音量で流れた時のことです。

思えば、5時ちょうどにこの犬の前を通ったのは初めて。

音楽が流れ出すと、柴犬は手すりに両腕を置いて天に向かって一緒に歌い出しました。

とても気持ちよさそうに。

夢中で歌っていて私の姿なんてもう目に入りません。

目を閉じて一心不乱に歌っています。

悲しいかな、多摩市の夕方の放送はとても短く、夕焼け小焼けの曲は「赤とんぼ〜」までであっという間に終了。

バフン。

ため息をついて柴犬はまた横になり、私の姿を見つけ照れ臭そうに目を伏せました。

でもよかった。

いつも一人で寂しそうにしていたので、犬にも1日に一度は楽しい時間があると知り安心しました。




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