実家の庭の謎の木に一つだけ、奇妙な実がついていました。
グーグルレンズで調べてみると、結果は「桃」。
桃!
私の知っている桃の姿とはだいぶ違います。
それに家の庭に桃があるとは聞いたこともありません。
20年近く前、唯一の管理者であった母が亡くなって以来荒れに荒れまくっていた実家の庭を、
一昨年私が戻ってきて以来コツコツ手入れをしていますが、基本的に私は草刈り専門で、植物の名前はいまだによくわかりません。
草刈りの技術だけは高知に住んでいる時に覚えました。
背丈ほどに伸びた雑草を前に、唸りを上げるエンジン付き刈払い機を肩に掛け「雑草の中に貴重な草花があったらどうします?刈ってしまってもえいがですか?」と隣のおんちゃんに聞くと、
「かまん、かまん。刈ってもうてもすぐまた生えてくるき。」と返事が返ってきたので、安心して遠慮なく刈って刈って刈りまくりました。
実家の庭でこれをしないで本当によかった。
もしかしたら貴重な見たこともない桃を切り落としてしまうところでした。
母が亡くなって20年、もう地球にはいないとわかっているのに、母の庭を手入れしているといまだに母から怒られるかもしれないと思いながら仕事をしている自分に気づき、可笑しくなります。
幽霊でもかまわないので、一度あの世から戻ってきてもらい、実家の庭に何が植わっているのか全部教えてほしいものです。
そうすれば心おきなく草刈りができます。
ただ、すでに相当数の草木を切ってしまっているので、もし母が出てきたらだいぶ怒られることだけはまちがいありません。