多摩ニュータウンが生まれた50年くらい前からある古い古いショッピングセンター「グリナード永山」に、徳島から特産品を売るブースが来ていました。
久しぶりに出会う四国の人についうれしくなってしまい、思わず店員の若い女性に、
「わたしも去年まで高知に住んでいたんですよ」と声をかけると、
残念。
その若い女性はこちらで雇われた人で、徳島の人ではありませんでした。
そりゃあそうです。
このコロナ渦巻く魔界都市東京に、わざわざ四国からやってくる愚かな勇者などいるわけがありません。
ただこの女性、サーファーで年中徳島の日和佐へ通っていた縁で今回の仕事に雇われたそうです。
久しぶりに出会う私と同じ四国ファン。
標準語で語り合う懐かしい四国の話にうれしいやら悲しいやら。
本当はお互いに四国の方言が聞きたかったのですがしかたありません。
それに高知と徳島は隣同士にもかかわらずあまり交流がないために、話がまったく盛り上がらずに終わりました。
日和佐は高知の東の端に接していて、私の日高村は高知県の中央やや西にあります。彼女が日高村を知らなくても当然です。
日高に海はありません。
高知から東京へ移ってきて10か月が経ちますが、
まだこちらに住んでいる四国の人とは一度も会っていません。
それどころか高知ナンバーの車とすれちがったことすらないのです。
香川と愛媛と徳島のナンバーは時々見ます。
高知のない無味乾燥な毎日。
東京で四国と出会うのは至難の業のようです。
グリナードに高知ブースが来てくれたら、たとえ店員が東京の人間でも、うれしくて泣くかもしれません。