日高村の野良犬シロ(写真)に、自由な暮らしはやはり許されないようです。
決して人には近寄らないものの、たくさんの人にかわいがられのんきに過ごしていたシロの暮らしは、地域に野良犬の存在を許さない声の高まりには抗えませんでした。
明日、県の委託を受けた小動物管理センターの精鋭がシロを捕まえに来ます。
シロはとても頭がよく、捕まえようとするこれまでの人間の試みは全てシロにはお見通し。ことごとく失敗に終わっていました。
シロはおとなしく、吠えることもなく、もちろん噛みつくこともありません。
じっくり時間をかけて信頼関係を作り距離を縮めていくしかないという役場担当者の方針に、近隣の多くの人もそれを理解してくれていましたが、一部の人からの「早く捕まえろ。処分しろ。事故が起きたら誰が責任をとる?」の声は日増しに強くなりました。
明日の作戦はこうです。
小動物管理センターの精鋭の一人、ドッグセラピスト(?)とかそんな感じの資格を持った高知で最も犬の心がわかり、最も犬と心を通じ合える茶髪の若い女性が、ユメちゃんというシロが秘かに恋心を寄せている近所の犬を散歩に連れていきます。
その後ろに、もう一人の精鋭、わっかの付いた棒で犬の首を引っかけて捕まえる高知一の名人がピッタリとくっつき、
ユメちゃんとセラピストにおびき寄せられて近づいてきたシロの首に輪を引っかけて捕まえる。
そしてシロは小動物管理センターへ引き取られ、人間を信頼する心を取り戻し、新しい飼い主に引き取られ、幸せな生涯を送ることになります。
とりあえず明日、私たちはシロを刺激しないように、できるだけ遠くで作戦の遂行を眺めることになっています。
「素人はひっこんでろ」というわけです。
高知で最高の犬の達人、手練れの腕前を拝見させてもらいます。
はたしてシロは捕まるのか。犬の達人たちとシロとの知恵比べです。
がんばれシロ!
シロの幸せのためには捕まってくれた方が良いに決まっているのに、どうしたわけか明日シロが捕まらないでいてほしいという気持ちを抑えられません。
毎日自由に暮らしているシロは本当に活き活きとして幸せそうで、うらやましいくらいです。どうして人はそれを許さないのか。いつも犬は人間の犠牲になっています。
写真は今日のシロ。明らかに私のことをわかっていて、いつもの追いかけっこをするつもりです。