日本を支える日高の製材職人

京都の清水寺、伊勢神宮、出雲大社、箱根の関所、その他日本人なら誰でも知っている有名な伝統建築に材木を提供している製材所が、ここ高知県日高村にあります。

北添製材所のことは数か月前、日高村護国寺の寺報で知りました。

日本中に星の数ほどある製材所の中で、なぜ著名な神社仏閣がわざわざ日高村の小さな製材所に材木を注文するのか。

その理由を探るのが今回の目的です。(もう一つの目的は、新しく発行される「オムライス新聞」の記事『すっごいぞ日高村』の取材です。)

「これくらいの製材所なんて日本中どこにでもある。もっとすごい仕事をする所だって何百もあるよ。」(バリバリの土佐弁を標準語に訳しています)。

と社長は謙遜します。しかし、ごく普通の製材所に全国から、遠くは青森からはるばる瀬戸内海を渡り、四国山脈を越えてまで、日高に来るはずはありません。

「人間が一人一人違うように木も全部違う。それに合わせて挽かにゃならん。」

私は材木については完全に素人ですが、製材所の仕事は、宝石の研磨職人のようなもので、原石の価値を高めるのもダメにするのも研磨次第と同じような感じだと考えました。どんなに良い木でも材木として生きるも死ぬもは、それを挽く製材所しだい。

話を聞いて、北添社長はものすごい腕を持っているのだと実感しました。

だからこそ日本中から銘木が集まり、社長の挽いた木材が日本中の伝統建築から求められるのだ。

そして、なにより話が面白い。木のことをいろいろ教えてくれます。

例えば、「山で生えている時に南側だった面は、材木になったときも南向きに使う。そうすると材はいつまでも活き活きする。」とか「建物を建てる時は、その土地と似たような気候の土地で育った木を使った方がいい。そうすれば家は長持ちする。だから日高の家は日高の木で作るのが一番いいんだ。」などなど。

帰りに、ご夫婦で設計して地元の大工Sさんが建てたこだわりの自宅を見せていただきました。

すごい。

最高の材木で建てられた家はあまりの迫力に圧倒されます。もはや城です。怖ろしいまでの迫力に心臓が高鳴りました。

あの家は高知県の迎賓館にするべきだと思います。

日本建築は木と紙でできているから風が吹いたら飛んでしまうと思っている外国人がいたとしても、あの家の重厚感を間近にしたら圧倒され、彼の方がぶっ飛んでしまうことでしょう。

今日はとてもよい体験をしました。

しかしこれほどすごい北添製材所。護国寺の寺報で紹介されるまで、地元日高村で知っている人はあまりいませんでした。

すごい人ほど謙虚。これも土佐人の性質です。




コメントを残す