挨拶の消えた街角

妻のパート先の会社に中学生が5人、社会学習で仕事の体験に来ています。

昼休みに妻が「お疲れ様」と5人でまとまって食事している子どもたちに声をかけると返事がありません。

聞こえなかったのかともう一度「お疲れ様」と大きな声で言ってもガン無視。中学生たちは自分たちの雑談を続けています。

頭に来た!と同僚へ訴えると、彼らもみな同じく中学生に無視されていました。

大人たちが「おはよう」と言っても中学生たちはスルー、「こんにちは」も無視、「さようなら」もシカト。

職場には怒りと混乱の嵐が吹き荒れました。最近の中学生はどうなっているんだ?

調べてみると多摩市の小中学生は知らない人とは口をきくなと教育されているそうです。人を見たら変質者と思えと厳しく教えられています。

職場に来た中学生たちは働いている大人たちをみな変質者だと思ったのかもしれません。

 

今日、床屋のご主人にこの話をすると、以前から多摩では挨拶のできない子どもが問題となっていて、教育委員会や市役所へ無視された大人たちからの悲痛な苦情が多く寄せられていると言っていました。

床屋のご主人自身も昔PTAの役員をやっているときひどい目にあったそうです。

その日ご主人は見守り係として通学路に立っていました。

本当はPTAの腕章をつけなければいけないのにその日に限って忘れて来てしまいましたが、

まあ大丈夫だろうと思って立っていると、向こうからランドセルを背負った少年がやってきます。

「こんにちは」と声をかけるともちろん返事がない。知らない人と話をするなと普段から言われているから、顔をしかめて警戒心を丸出しにしています。

安心させてあげないと、と思い「おじさんはPTAだから大丈夫だよ」と言いながら近づくと、少年はさらに警戒心を強くしてあろうことか防犯ブザーのひもに手をかける。

こんなところで防犯ブザーなんて鳴らされたらたまったものじゃない。

こっちも焦って「大丈夫、大丈夫、怪しくないよ。心配いらないよ」と必死になって言うのですが、、言えば言うほどますます自分がものすごく怪しい人間に思えてくる。

少年も泣きそうになって今にもブザーのひもを引きそうです。

とにかくをブザーの音だけは鳴らされないように、後ろへゆっくりゆっくりと下がりながらその場を離れ、難を逃れました。

と笑いながら話してくれました。

 

以前、高知県日高村に住んでいる頃、ちょうど小学校の下校時間に学校の前を歩いたことがあります。

その時、すれ違う子どもたち全員が次から次へと大きな声で「こんにちは!」と挨拶をしてくれたのですが、

それが私には馬鹿にされているように感じ腹が立ちました。

あまりにみんなが挨拶をするのできっと多摩出身の私は驚いてしまったのかもしれません。

あとでその小学校の父兄にこの話をすると、日高村の小学校では誰に対してもきちんと挨拶するように厳しく教育していると教えてくれました。

同じ日本でも高知と多摩では真逆の教育が行われているようです。

 

私としては日本の未来は多摩ではなく高知の子どもたちに託します。




コメントを残す