感覚の地域差

埼玉に住んでいる頃、近所の畑に恐ろしいカカシがいました。

長さ1メートルほどの棒の先に金髪マネキン女性の頭部が突き刺してあり、それが5、6本畑に並んでいます。

「あそこの畑は気味が悪い」「あれで鳥が逃げるのか」などと近所でいろいろ言われていましたが、今考えてみると人間を近づけないためにあんな恐ろしいカカシを立てていたのかもしれません。

四国でも徳島などの山奥に行くと特殊なカカシを目にします。

リアルな人間の形をしたぬいぐるみのカカシで、人間の服を着て人間と同様に老若男女いろいろです。

流行っているらしくカカシの人口が実際の人間の人口を上回っている地域もあり、外国からもこのリアルカカシを見るために人が訪れるほど人気があって、見ると「ほのぼのする」とか「気持ちがほっこりする」とか言う評判が聞こえてきます。

カカシは畑を耕したり井戸端会議をしたり、子どものカカシなどは木登りをしていたりとまったく人間と同じようなポーズをとっているので、山道を車やバイクで走っていてこれが突然現れるとびっくりして肝を冷します。

私はこのカカシが苦手です。どう見ても不気味。

山に迷い込んだ人々が山姥に魔法をかけられて人形にされてしまった、そうとしか思えません。

テレビで東京から来たリポーターのリアクションも私と同様、ビビっているようです。

同じ日本人でも物事に対する感覚には地域差があるように思えます。

日本中どこへ行っても同じような景色が広がっているように見えて何かがどことなく違う。

大阪もそうでした。同じ大都会でも東京とは全然違う。全然違う感覚で作られている気がしました。

日本は狭いようで広いものです。

埼玉のカカシはたぶん日本中どこへ行っても不気味だと思いますが。




コメントを残す