夜中、布団に丸まってぐっすり寝ていると右手の甲に刺すような痛み。
半分夢の中で「痛いな」と思いつつ、「蚊に刺されたのだろう」と寝続けていると、痛みがどんどん強くなっていきます。
それでもまだ夢の中。「ずいぶん強い蚊もいるもんだ」と寝ていると、
左の瞼の上を何かの虫が歩きました。
軽いくすぐるような感触です。
小さな蛾か何かが顔の上にとまったのかと、まだ半分夢の中で思いつつ手で顔の虫を叩きました。
蚊でも蛾でも羽根のある虫ならそれで潰れるか、どこかへ飛んでいくはず。
ところが虫は顔からいなくなりません。
手は確かにヒットしたはずなのに、虫は生きて顔の上を軽やかに移動しています。
瞼から額、それから鼻へ。
その間何度か手で叩いたはずなのに虫はいっこうに死んでくれません。
そこまでに至りようやく覚醒。
「なんだ!」と顔を手でかきむしり電気をつけると、
布団の上を5センチほどのムカデが這っていました。
ムカデを殺すには熱湯をかけるべし、と高知県日高村では言われています。
しかし夜の夜中に湯を沸かし布団をびしょ濡れにする気力はありません。
何と言ってもまだ夜中。本来寝ている時間です。
ティッシュで丸めて昇天させました。
幸い顔は無事、咬まれていません(ムカデは刺すのではなく、咬むそうです)。
しかし手の甲には激痛が走っています。
ムカデは咬まれると恐ろしい痛みがあると聞いていましたが本当です。
太い針がまだ刺さっているような痛みが手の甲でズキズキしています。
いつかきっと自分もムカデに咬まれる時が来る。
その時に備え、私はムヒの最高峰「ムヒアルファEX」を準備していました。
いよいよこれを使う時。
まだ半分しか開いていない目で薬箱から高知で買ったムヒアルファEXを探しだし、
塗ると痛みはすぐに消えたのでしょう、
やがてまた夢の中へ。気がついたら朝でした。
手の甲の痛みはまだありましたが夜中ほどではありません。
ムヒアルファEX、よく効きます。
問題は、
ムカデがどこから侵入したのかわからないことです。
今夜も再び夜が来ました。
やつがまた出るかもしれないと思うと怖くて布団に入れません。