この大晦日は、頸椎捻挫と膝の靭帯損傷でまだ少し指に痺れを感じながら、少し足を引きずりながら年を越す羽目となっています。
この半年、それまでずっと患者さんを励ますために使っていた言葉を自分自身に使っていました。
患者さんに言っている時でも薄々わかっていたことですが、
それらの言葉はほとんど慰めにはなりませんでした。
自分で自分に言いながら自分の心にまったく届かないのだから、患者さんへはまったく届いていなかったかもしれません。
SNSを見ると正義の言葉が次から次へと溢れてできます。
ところがだいたいみなさん自分の言葉が世界へ届いていないとイライラされているようです。
確かに、正しい言葉は街にもネットにもたくさん溢れているのに、世界はどんどん悪くなっているように見えます。
私の経験上、
患者さんに届いている言葉は全部私が自分で言ったか覚えていない言葉ばかり。
私が一生懸命に考えて言った言葉は忘れられ、
無意識に言ったと思われる言葉を患者さんはよく覚えておられます。
誰かに言葉を届けたいと思ったら、
言葉を磨くのではなく、もっと心の奥の無意識を鍛えるべし。
そんなことを肝に銘じている年の暮れです。
来年がみなさんにとって良い年になることを祈っています。