小さな自分だけの奇跡

毎日こうも悪いニュースばかりが入ってきて、

胸に重黒い不安がべったりと張り付いて取れなくなると、

なんでもない些細なことにも感動するようになってしまいます。

今朝、縁側に一人座り考え事をしていると、庭先に一羽のウグイスがやってきて鳴き始めました。

ホーホケキョ。

ごくありふれた野鳥で、珍しくもなく変わった鳴き声でもありません。

ただ私のすぐ近く1メートルほどのところで、姿を見せてさえずりを聞かせてくれたのは生まれて初めてのことです。

家の裏山にウグイスの巣があった高知でもこれほど近くでウグイスを見た経験はありませんでした。

なぜかものすごく感動してしまい、枇杷の木の枝にとまる小さなウグイスに見惚れ、飛び去るまでのわずかな間心を奪われてさえずりに聞きほれてしまいました。

初めて間近で聞くウグイスの美しいさえずり。

ウグイスが去ると、すかさず心の中で「これこそ奇跡だ!」と叫びました。

「今奇跡が起こった!」と。

ところが冷静になって考えてみると、はて?これのどこが奇跡なのか?全く説明ができません。

折から吹いていた強い風に流されて、たまたまわが家にたどり着いたごくありふれた森の野鳥。

さてそれだけのことではないのか。

うちの庭ではいつも何かしらの野鳥がやってきてはたえずさえずっています。

悲しいことに、心の中を探せば探すほど奇跡がどんどん消えていってしまいます。

それでも、今朝私が感動したことだけは否定しようのない確かな事実。

そこで今朝のウグイスとの遭遇は私だけの小さな奇跡として認定することにしました。

たとえ理由はなくても感動は感動。美に理屈はいりません。

と自分に言い聞かせています。




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