「東京は便利でしょう」とよく言われます。
ところが東京にもかかわらず私の実家、今住んでいる多摩市連光寺は不便です。
家の一番近くにある唯一の商店はカレーハウスココ壱番屋。これだけです。
他は住宅ばかりで店は一軒もありません。
その上、近くといっても山を下り、ココイチまで歩いて15分かかります。
ココイチに恨みはありませんが、年に一度行くか行かないかのカレー屋が近くにあってもちっともうれしくありません。
「せめてこれがコンビニであってくれれば」と横目でにらみながらさらに坂を下り歩くこと15分、市街地に到着するまで徒歩30分かかります。
恐ろしいことに連光寺は多摩丘陵の上にあるので帰りは登山です。
高知にいる頃「村の暮らしは不便でしょう」とよく言われましたが、
日高村に住んで不便を感じたことはありません。
10分も歩けば村の中心地。必要なものはなんでも手に入りました。
地方から進学や就職で上京する人は注意が必要です。
同じ東京でも間違えて連光寺なんかに住んでしまったら、高知でも想像できない不便な暮らしが待っています。
東京には他にもいくつか連光寺のような場所がありそうです。
「車を使えば?」と高知の人は言います。
ところが車もここ連光寺ではあまり便利とはいえません。
渋滞、星の数ほどある信号機、駐車場探し。目的地に着くまで下手すると徒歩より車の方が時間がかかります。
もし「都市は便利で田舎は不便」という常識が正しいなら、東京都多摩市連光寺はとんでもないド田舎、陸の孤島です。
念のために付け加えますと連光寺は町名です。お寺に住んでいるわけではありません。