坂本龍馬の肖像画

有名な坂本龍馬の肖像画は十数枚あるのをご存じですか?

明治時代の土佐の画家、公文菊僊はなぜか知りませんが同じような龍馬の肖像画を十数枚も描きました。

これらの龍馬はどれも同じ姿勢を取っていながら、細かいところが少しずつ違うそうです。

中でも多摩市の聖蹟記念館が所蔵している龍馬の肖像画は、洋靴を履いていることと表情が他の12枚とは異なっていることに特徴があると、記念館の解説には書いてありました。

これは勝手な想像ですが、

この田中光顕さんがかつて所蔵していた多摩の肖像画が、若い頃の本当の坂本龍馬を一番よく描いていると思います。

他のを全部見たわけではありませんが、そう思います。

なんといっても田中光顕さんと龍馬は郷里の友人同士。

龍馬暗殺の現場へ真っ先に駆けつけたのも田中光顕さんです。

多摩の肖像画に描かれた龍馬の顔はとても若々しく、生気がみなぎっています。

これはきっと田中光顕さんの知っている坂本龍馬そのものに違いないと思いました。

この肖像画は特に目が魅力的で、その瞳はまっすぐに未来を見つめ、内に秘めた野心と希望、それに不安をその奥に深くたたえているようです。

きっと田中光顕さんはこれと同じ瞳を、実際に生きている龍馬の目の中に見ていたのでしょう。

龍馬の人柄は出会った人の誰をも魅了したと言われますが、その理由がこの肖像画の瞳を見ているとよくわかります。

司馬遼太郎や福山雅治によって作られたイメージばかりが巷にあふれている龍馬の中で、

多摩市の聖蹟記念館では飾らない本当の坂本龍馬と会えた気がしました。

土佐の空の下、郷里の友人たちと夢を語り合っていた青年龍馬は、今多摩丘陵の静かな森の中にいます。




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