地域おこし協力隊に期待されること

地域おこし協力隊として働いているとよく言われることがあります。

「起業してくれ」「儲かる仕組みを作ってくれ」「村を変えてくれ」です。

まず「起業」について。

確かに地方では起業はしやすいようです。交付金や補助金、クラウドファンディングを使えば返済義務のない資本でビジネスを始められます。その点は都市部よりも恵まれています。

ただビジネスで利益を上げる難しさは、地方も都市部も同じだと思います。仕事は立ち上げるだけではだめで継続して利益を上げなければなりません。そして、お客さんに選ばれ喜んでもらえる仕事をするのはとてつもなく難しいことです。この点を安易に考えて簡単に起業をすすめられるのは困ります。

仕事の醍醐味、楽しさは「苦労」をすることにあります。苦労が多いほどビジネスで成功したときのうれしさも大きくなります。5年、10年、20年必死に努力した結果ようやく手に入れたお客さんの笑顔は何物にも代えがたい財産です。それが本当の仕事の魅力、楽しさです。しかしこの苦労をするには覚悟が必要です。

ただで手に入ったおカネでテキトーに商売して失敗したら簡単に辞める。これは地域から活気を奪います。

地方に元気がないと言われるのは必死な努力が少ないせいのような気がします。借金をしてでもこのビジネスで成功するぞ!という気合が地域の活気には必要です。簡単に開業資金が手に入るのは考えものだと思っています。

次に「儲かる仕組み」について。

あまり偉そうなことは言いたくないのですが、「儲かる仕組み」「カネの落ちる仕組み」も簡単には手に入りません。

これもまた努力して自分で作り上げるものです。間違っても誰かに教わるものではありません。

確かに「儲かる仕組み」を売って儲けている人たちはいます。しかしこれは「夢」を売って儲けているようなものです。実体がありません。お金で「儲かる仕組み」が買えるなら東芝はこんなことにはなりません。この世から倒産する会社も消滅する自治体もなくなるはずです。

高知では本気で「儲かる仕組み」が買えると思っている人が多いのが心配です。多くの税金がそこに投入されています。

しつこいですが仕事は苦労と努力、さらに覚悟が大事です(と自分に言い聞かせています)。儲かる仕組みはそこから生まれてきます。

最後に「村を変えてくれ」について。

1年間地域おこし協力隊として働いていてこれはよく言われました。

ただ1年間村にいてわかったのは「村を変えてくれ」というのは「自分の嫌いなヤツを追い出して過ごしやすい環境を作ってくれ」という後ろ向きの願いが時々含まれていたことです。

本当に村を変えようとしている人はすでに必死に努力していて地域おこし協力隊ごときに「村を変えてくれ」とはあまり言いません。

幸いなことに村の未来についてしっかりとしたビジョンを持って頑張っている人たちとこの一年たくさん出会え、また一緒に働くことができました。

4月からは2年目に入りますが、引き続きそういった皆さんとともに日高村の未来作りに取り組んでいきます。

残り2年の任期でどうにかなるかわかりません。また安易に金儲けができると思っている人に満足してもらえるかどうかもわかりません。

しかし、しつこいようですが努力と苦労は惜しみません。




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