さっきテレビでバブル時代の金融犯罪をやっていました。
当時知り合いだった多摩市の不動産会社の社長さんも、銀行の過剰融資でバブル後犯罪者扱いをされ酷い目にあっていたこともあり、あの頃のことを懐かしく、また多少の怒りを思い出しながら楽しく番組を拝見しました。
バブルの時期、私は確か大学生で就職活動の真っ最中だったと思います。
とても贅沢な時代で、OBを訪ねて都内へ出れば、一流企業に就職した先輩は私を高級寿司店へ連れて行ってくれ、まず特上の握りを食べた後にお好みでウニでもいくらでも中トロでも好きなものを好きなだけ食べさせてもらいました。
ただそんなイケイケの時代に私はどこか違和感も感じていたのでしょう。
銀行だか証券会社だか商社に就職したある先輩に、
「こんな好景気がいつまでも続くとは私にはどうしても思えません。」
と、あれは松坂牛を食べながらだったか、疑問をぶつけたのを覚えています。すると先輩は、
「どんなに不景気になっても日本の経済成長率が1%を切ることは絶対にない。だから大丈夫だ。」
と胸を張りました。
「なるほど。」と素直な私はすっかりその言葉を信じ安心しました。「じゃあ日本はずっと大丈夫ですね。」
バブル時代はみんな少し頭がおかしかったのかもしれません。
また、ある石油会社に就職した先輩には、
「石油を人類が全部使い尽くして地球から消えてなくなってしまったら、会社はどうするんです?」と、あれは確か北京ダックだったかを食べながら聞いたこともあります。
するとその先輩は堂々と胸を張り、
「石油は絶対になくならないから大丈夫だ。」と答えました。
その言葉も若い私は素直に信じました。
おかげで今の脱炭素社会の時代がまだ信じられません。今から10年後くらいならまだガソリンエンジンの車に乗れると思い込んでいます。
こうして、バブルの時代に見えていた未来は今どこを探してもありません。
あの時代を振り返るとみんなが酒に酔っていたように思えます。
楽しい時代ではありましたが、間抜けな時代でもありました。
コロナに苛まれ、先の見えない不況の真っ只中にある今の方がはるかに私の頭脳も研ぎ澄まされている気がします。
日本人はあまり金持ちにならず、豊かになろう、幸せになろうと必死に頑張っている時が一番豊かで幸せなのかもしれません。
ところで、
私自身はバブルの崩壊とほぼ同時期に大失恋を体験。
日本社会と手に手を取り合って薔薇色の時代から暗黒の時代へと真っ逆さまに転落します。
私がどん底にいた時、日本社会全体も一緒にどん底にいてくれました。
ありがたいことです。
だからといって別になぐさめられやしませんでしたが。
そして紆余曲折を経て私は鍼灸師に。
日本はこんな感じに。
日本と私がこれからどうなるのか、未来は見えません。
でもどんな未来を夢見ていても、現実は必ずそれとは違う未来がやってくる。
それだけはバブル時代と続く失われた30年の間に痛いほど学びました。