カラスの視線の先

多摩川の河畔、カラスがゴミ処理場をじっと眺めていました(写真)。

これとほぼ同じ景色は、高知県日高村を流れる仁淀川でも見られます。

日本一とも評される清流に臨む丘の上にそびえ立つ巨大なゴミの最終処理場はいかにも異様で、案内した観光客の誰もがそれを見て顔をしかめました。

「なんであんなの建てた?」私が建てたわけではないのに必ず問い詰められます。

「どこかには建てなければならない施設なので」と答えましたが、納得してくれた人はいません。

一方、多摩川のゴミ処理場に対して文句を言う人は聞いたことがありません。

多摩川を見て美しいと感じる人が少ないせいだと思います。ゴミ処理場があっても景色を邪魔しないのでしょう。

私も何も感じません。

ただ多摩川の処理場の近くは秘かに野鳥の楽園です。

カワセミ、ヤマセミ、ミサゴ、モズ、多摩にいるのが信じられないような野鳥がその他にもいろいろいます。

そういえば日高村仁淀川のゴミ処理場の近くにも野鳥がたくさんいました。

初めてヤマセミを見たのもゴミ処理場の近くでした。アカショウビンを見たのも確かあの近くだったはず。サンコウチョウの声もあの周辺で聞きました。

やはり仁淀川は多摩川とはレベルが違う。

多摩川のゴミ処理場を、私はそんなことを考えながら眺めていました。

一方、隣のカラスが何を思って眺めていたのかはわかりません。

旨そうな匂いがするとかなんとか、考えていたのではないでしょうか。




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