カネシロビルのカネシロさん

日高村には「クッチーナかねしん」というおしゃれな居酒屋がありました。

私のひだか治療室は今カネシロビルという古くてぼろい雑居ビルに入居しています。

どうも私はカネの付く名前に縁があるようです。本物のカネとは最近ご無沙汰なのに。

カネシロはバブルの崩壊とともに消滅した不動産屋で、このビルはその昔本社ビルでした。

各階に1部屋、10階まであってカネシロ不動産がバブルで全盛の頃は各階に総務課や経理、営業などの各部署がありましたが倒産してしまい、3階にある私の父の法律事務所に空っぽの巨大金庫ひとつを預けて、どこかへ消えてしまいました。

社長のカネシロさんは沖縄から出てきた野心家で、多摩市を中心にたくさんの不動産を所有し手広く事業を展開していました。有名芸能人を何人も呼んで映画会を開いたこともあります。確か多摩市では京王電鉄に次いで2番目に巨大な企業だったはずで、倒産したときはNHKのニュースにも取り上げられたほどです。

今も多摩市内には「カネシロ」と書いてある看板を時々見つけることができます。しかしこの「カネシロ」が何かを知っている人はもうほとんどいないのではないでしょうか。

カネシロさんが元気でいてくれることを祈ります。

カネシロビルは少なく見積もっても築30年以上、主人を失い内装も外装もボロボロ。トイレも和式で駅から歩いて10分。今は駐車場もありません。

この不動産不況でテナントなんて入るはずもないしょぼいビルなのに、どうしたわけは10階まで全部埋まっています。

まあひだか治療院をはじめ小さな怪しい会社ばかりですが、とにかくも上から下までにぎやかで、生意気にエレベーターもなかなか来ません。

不思議なのは、カネシロビルの隣にあるもっと新しくてきれいな雑居ビルはテナントが入らずに閑散としています。外から見た感じでは1階のインドカレー屋以外は10階まで全部空き。新しいのにもう廃墟です。

隣のビルには悪霊でも憑いているのかもしれません。こわいこわい。

見た目ではダントツでカネシロビルの方がお化け屋敷です。

 

表題写真、道路の突き当りに小さく写っている白く細いビルがカネシロビルです。




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