南大沢のアウトレットを歩くのが最近の趣味です。
かっこいい洋服屋やブランドの店を眺めながら歩くのは、
多摩丘陵の森の中を野鳥を探して歩くのと同じくらい楽しいものがあります。
自慢ではありませんが、私はこの50年おしゃれをほとんどしたことがありません。
今では服を買うのはもっぱらホームセンター。中でもコーナンがお気に入り。
そのためか私がアウトレットの上品な店に入っても話しかけてくれる店員さんはほとんどいません。
きっとどんくさい服を着ているせいだと思います。
「こいつ買わないな」と一目見てわかられてしまうのかもしれません。実際買うことはほとんどありませんから。
それでも店員さんにすぐ横を無言で素通りされると悲しくなります。
「俺はアウトレットが似合わないダサい人間なんだ」と痛感するのは楽しいことではありません。
ただ、ごくごくたまに親しげに話しかけてくれる店員さんもいます。
そんな時はうれしくなりますが、
「待てよ。この店員さんは俺を万引き犯だと勘違いし、犯行に及ばないよう話しかけているだけかもしれない」とつい思ってしまいます。
こんなホームセンター男におしゃれな店の店員が話しかけるわけがない。
どうしてもそんな風にいじけたことを思ってしまうのは、きっと世の中が暗いからだと思います。
春なのに戦争のせいで気持ちがちっとも晴れません。