ごみとごみではないものの境界線

今日はいわゆるゴミ屋敷の片付けに行ってきました。

行ってみると家中が腰までの高さに積まれた膨大な量のゴミで埋め尽くされています。

さっさと片付けてしまおうと気合を入れて腕まくりをしましたが、

私たちの目にはすべてがゴミと見えても、依頼人である家主さんの目にはそうではないようで、私たちが捨てようとすると、

「あ、それゴミじゃない。」

と指摘されます。

そこから膨大な量のゴミ?を一つ一つ家主さんに聞いて選別する作業が始まりました。

計画では二日で終わる作業でしたが、今日終わったのは玄関のみ。おそらくあと10年はかかりそうです。

仕方ありません。

ゴミかゴミでないかは持ち主本人にしか分かりませんから。

そこでハッと分かりました。

よくテレビを見ていると、断捨離の専門家や整理収納アドバイザーとかいう人たちは、

「1年使わなかったものは一生使わない」「いつか使うの『いつか』は一生来ない」から全部捨ててしまいなさい。

と言っています。

これは依頼人の気持ちを無視した、掃除業者の完全なエゴだと今日悟りました。

何も考えずに片っ端からゴミのレッテルを貼って全部一気に捨ててしまえば、掃除屋としてはこんなに楽なことはありません。

断捨離専門家やアドバイザーは自分が楽をしたいがために上記のような理屈を依頼者に押し付けているのだと、今日はっきりと分かりました。

私は鍼灸師として患者さんに寄り添ってきたように、掃除屋としても依頼者に寄り添うので、ゴミかゴミでないかの判断は依頼者の判断を尊重します。

今日のリーダーも同じ主義でした。

ところで、

私ごとではありますが、私たち夫婦は何でもかんでも捨てるのが大好きで、おまけに貧乏なので家には何にもありません。

おかげでしょっちゅう、「あれどこ行った?』「捨てた」「あのCDは?」「売っちゃった」

という会話をしています。

1年使わないものでも使う時はありますし、いつか使うものは必ずいつか使う時がくる。

それが自分の家で学んだ私の教訓です。




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