ある瞬間の多摩丘陵

多摩にもたまには奇跡があって、

野山を歩いていて人と会わない瞬間が今日は15秒ほどありました。

多摩も一人前に東京の一部だけあって、こんな長時間人と会わずに野山を歩けるのは奇跡と言えます。

この点、高知県日高村は正反対。

日高村では野山で人と出会う方が奇跡でした。

猪と出くわすよりも、ばったり人と出会った方がびっくりするくらいです。

日高の山に入って道に迷った時(基本的に道はほとんど潰えているので、山に入るとたいていの場合必ず道に迷います)、偶然50年前の畑の跡や100年前に作られた古い石積みを見つけると、そこに人の存在を感じてなぜか安心したものでした。

多摩丘陵に古い畑の跡や石積みはまだ見つけていません。

多摩がこうして人と会ってはいけなくなる前、グリーンボランティアで聞いた話によると、

多摩丘陵の木はほとんどすべて人が植えたものだそうです。

昔の多摩は、江戸の街へ薪や炭を供給する燃料産出地帯。

小池都知事風に英語で言えば、サステイナブル・エナジー・サプライヤーとでもいうのでしょうか。木を育てては伐り、育てては伐りして、江戸へ運んでいました。

そのため、もともとの多摩丘陵に高い木はありません。

薪も炭も使う人がいなくなった現代、

多摩丘陵には背の高い木がたくさん育ち、すっかり深い森となっています。

人の消えた15秒。

一瞬だけ日高村を思い出せました。

 

表題の写真は地面近くに咲いていた春の花。もちろん名前は知りません。




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